

『オナゴのささやき』
企画スタート ~えっ!私ですか!?~
入社して数年、日常業務に振り回されっぱなしの日々、突然エラーイ人から呼び出しあり。日頃の行ないの悪さに、何を注意されるのかとドキドキしながら役員室へ。「キミは毎日がんばってるねぇ。」エライ人が口を開いた。その言葉の裏に何があるのか読み取れず、さらにドキドキは加速。「毎日忙しいところを悪いんだが…」きたっ。一体何を言われるの?!「今度CMを作ろうと思ってね。」「すみません!その件に…」えっ?CM??「キミに制作メンバーに加わってもらいたんだが、どう?」どうって、ええーっ、私が!? そんなこんなで、制作メンバーに加わることに・・・。
社内ミーティング ~「やっぱり『むし男』ですよ!」「だね!」~
CM制作が決まり、今まで関わったことのない業界の方とのおシゴト開始。CM制作について全く素人の私は、何をどうすればいいのか分からないまま全力投球することになり、怒涛の日々が幕開け。訳の分からないままミーティングに出席し、「コンセプトをどうするか」「ターゲットは誰なのか」など発言を求められ、「エライ人ばかりだからって遠慮はいらないよ」との後押しにトンチンカンな発言を繰り返す始末。半分あきれられながらも「何も言わないよりはマシ」との温かい言葉に気をよくし、さらにヒートアップ、調子に乗って言いたい放題。2006年夏にリニューアルした自社ホームぺージに登場するキャラクター『焼ソバ田むし男』を気に入っていた私は「どんな内容にするのか」の質問に「やっぱり『むし男』でしょ!」と即答。「そういうと思った」の声を聞きつつも、他のメンバーも『むし男』を推していたことが判明。それぞれの想いが一つにまとまり、『焼ソバ田むし男』のCM出演が決定。
顔合わせ ~おおー、ギョーカイだ!~
社内ミーティングでアウトラインが固まり、いよいよプロの方との打ち合わせに突入。いわゆる広告代理店と制作会社で、他にもカメラ、照明など数多くの専門集団がいるらしい。なんだか大変なプロジェクトに発展しつつあり背筋が伸びる思い。広告代理店の営業マンさん、制作会社のプロデューサーさん、そして『焼ソバ田むし男』の生みの親であるホームページ制作会社のマネージャーさんなど、世に言うギョーカイの方との合同ミーティングでは、一人緊張している中、CMのアウトラインとスケジュールを確認。それからわが社の意向を発表することに。「じゃあ、キミから言いなさい」とエライ人から不意に指名され、またしても、えっ、私が!?状態。シドロモドロになりながらも『むし男!』を連発し、「『CMからWEBにカモーン!』っていうことなんです」と訳の分からない説明を展開。テレビCMからHPへ誘導しむし男をもっと知って欲しいという気持ちはかろうじて伝わった様子。今まで"広告業界は企画力とひらめきがないと生きていけないところ"と思っていたけど、加えて読心術もできないとやっていけないところだと理解した自分に心の中で拍手喝采。
絵コンテコンペ ~いろんなパターンで登場~
わが社の意向に添った絵コンテを数点プレゼンしてもらうことになった日、手渡された資料に目を通すと、そこにはなんと、いろんな姿の『焼ソバ田むし男』が登場していた!子供と遊ぶむし男、お昼ごはん前に出番を待つむし男、クイズを出すむし男、などなど。おおーっ!スバラシイ!挙句の果てには人妻を口説くむし男までいる。こんな役もこなせたのかと思うほどなりきった表情のむし男に思わず噴き出しそう。この少々エッチなむし男は、男性には大好評、女性からはブーイング。ま、お約束どおりの結果。そしてご想像に違わずボツ街道まっしぐら。
スタジオ収録 ~きゃーっ、生むし男さん!?~
デビュー作品が決まり、『焼ソバ田むし男』の役どころは「ラップを唄いながらダンスを踊るアーティスト」に決定。まずは『焼ソバ田むし男』による唄の収録から始めることに。ここで一つ、むし男は唄えるのか?という大問題が浮上。あわてた監督やプロデューサーは、むし男のマネージャーを通じてとり急ぎ練習をするよう依頼。むし男は唄も得意という前情報があたっていることを各々がひそかに願った瞬間。
そして収録当日、エレベーターが開くとどこかの会員制のお店みたいなスタジオには、約束の時間通りに入ったにもかかわらず、すでに関係者が全員集合して収録中。一斉にこちらを振り向かれて思わず、えっ、まさか遅刻!?と動揺。中央席に陣取る監督の横に小さくなって座り、となりのプロデューサーに、時間を間違えたのか確認すると、クライアントには重役出勤してもらうのがふつうとのことで一気に浮上。もう!びっくりさせないでよ~。
収録中のむし男は、かなり練習を積んだらしくカンペキに唄ってる!ほぉ~!むし男にはこんな才能もあったのか、とシビれるほど。あまりのウレシさにスタジオから出てきた生むし男に飛びつきたい気持ちを抑え、必死に冷静を装っているうちに無事収録終了。むし男エライ!よくやった!ちなみに、スタジオからの帰り道、目の前に繰り広げられた感動の連続に血が騒いで落ち着かず、400ml献血までして帰ったのは本当の話。ぶふ~、血を抜いてちょっとスッキリ♪
焼そば撮影現場 ~へぇー、こんな風なんだ!~
むし男の収録の次は、焼そばのシーンの撮影へ。このシーンは盛りつけ専門のフードコーディネーターさんのスタジオで行われ、私はクライアントとして現場に立ち会い。監督、プロデューサー、カメラマン、照明係、モニター係、それにフードコーディネーターさん。ウワサに聞いていた数多くのスタッフさんが集結し、あまり広くないスタジオはムギュ~状態。初めて見るCM撮影風景に興味津々な私に「ライトが危険だからウロチョロしないように!」と前もって牽制球を投げてきたのはプロデューサー。むむむ、すでに読まれてる。はい、おとなしくしてます。
スタジオ内には焼そばが何人前作れるのかと思うほど大きな鉄板がセットされ、あとは焼そばの投入を待つのみ。この日用意した大量の焼そばがフードコーディネーターさんの手によってどんどん作られ、見事に盛り付けられていく。さすが!おいしそう!
ここから焼き係のお姉さんが登場し、焼そばを焼くシーンの動きを担当。監督の指示に従って何度も何度も繰り返し焼いて焼いて焼いて…。実際に火を使っているため、お姉さんの腕はどんどん熱く、そして真っ赤に!焼そば入れ替えの合間に触らせてもらった手は、とっても熱くなってヤケド寸前!タオルで冷しつつ最後までやり遂げてくれた根性に脱帽。
そんな中、モニターを見ていた私の口がパクパクしていたのは、お腹がすいていたのでも、酸素が少なかったからでもなく「あそこに肉を…」「こっちにキャベツを…」と小声で囁いていたから。そしてそんな小声の注文をしっかり聞いて応えてくれた監督さんはじめ全スタッフの皆さんには頭が下がる思い!どんな小さなお願いにも全力をそそぐ姿勢がとてもアツく、感動的なほど。ホントに素晴しい!もう、合言葉はむし男の「アツイぜ」で決まりっ!
編集 ~わーっ!本当にCMみたい!~
その後、むし男のダンスシーンの収録が終わったとのことで全体の編集に立ち会い。早朝よりスタッフさんと一緒に編集スタジオにこもり、まずはラフな仕上がりを見せてもらった。わ、むし男が踊ってる!オマケにどこからかダンサーズまで引き連れてきてる!実は、さすがにダンスまではどうか…と思っていたのに、むし男やるじゃん!というより上手い!細かい表情など気になるところはその場で再編集。コッチの映像にしようとか、もっとアップにしようとか、監督さんとともに細かくチェック。そしてどんどん変更。すべて対応してくれた編集スタッフさんありがとう!感謝!
途中、焼そば調理シーンを撮影してくれたカメラマンさんや、むし男のマネージャーご一行が様子を見にわざわざ立ち寄り。それぞれが全力投球の仕事の成果を確認した後それぞれの現場へ。いよいよ最終の音入れの段階にはわが社の責任者も間に合い最終確認の上、ついに完成!「本当にCMみたい~」という子供のような一言に、監督が本当にCMなんだってばと苦笑。えへへ。
公開 ~ついに! 実家でも見られるといいのに~
こうして完成した『焼ソバ田むし男』デビュー作。タイトルは『仲間のそばで焼そば』編と名付けられ、あとはオンエアを待つばかり。まずは2007年夏に長崎と東海地方で公開が決定。ちゃんと生で見られるよう番組表をチェック。これで全工程が終了!
多くの方の力を借りて完成したCM。私にとって貴重な経験となりました。ご協力いただいた皆様に心より御礼申しあげます。
『むし男のつぶやき』
出演依頼 ~ふっ、当然さ~
よう、オレのデビュー作はもう見てくれたかい?ふっ、やっちまったぜ。オレもいよいよメジャーデビューさ。なんだか知らないが、オーナーがCMを作ると言い出したらしい。そこで目にとまったのがオレだったわけさ。オレの魅力がわかってるところはさすがだと思ったね。誉めてやるぜ。
主演作品決定 ~オレにできない役はない~
オレの出る作品を決めたのはオーナーさ。こいつを選ぶのはなかなか大変だったぜ。制作会社や監督、オレの生みの親まで集まっていろいろ絵コンテを作り始めた。そしてそれをすべてオレに演技しろと言ってきたわけよ。一体何本撮る気だ?まったく世話がやける。仕方ないから全部出てやったぜ。クイズの司会者、真っ暗な冷蔵庫の中で出番待ちする役、グウタラ母ちゃんにけなされる役。イメージじゃない役もあったが、オレは完璧に演じていった。そうそう、人妻を口説く役は傑作だった。耳元で囁くのさ、「好きだろ?こういうの」ってね。やばいぜ。クセになるぜ。でも何より幼稚園の子供たちと一緒にやったのは楽しかった。子供の頃を思い出して、一緒になって無邪気にはしゃいだね。そうさ、オレは子供たちの人気者なのさ。
オレの唄を聴け! ~唄は得意なんだぜ?~
いろいろやった中で、仲間と一緒に踊って唄うってやつに決まった。だが、いざ出演が決まると慌てだしたのが監督、プロデューサーそしてオーナーだ。オレが本当に唄えるのか?ダンスが踊れるのか?ってね。マネージャーにデモテープを送ってきて、収録日までしっかり練習するように言ってきた。ふざけんじゃねぇ!オレを誰だと思ってるんだい?ラップのひとつやふたつ唄えないわけがないだろう?
収録当日、オレのカンペキな唄いっぷりにみんな驚いてたね。監督の出す指示にどれも一発OKさ。おいおい、そんな目で見ないでくれよ。まったく、オレにできないことなんて、そうは無いぜ?そんな簡単にのびるような、コシの弱いオレじゃあないぜ。
ダンス収録 ~倒れるまで踊るのさ~
唄の次はダンスだ。困ったのはオレ1人で踊ってたわけじゃないところさ。ダンサーズとの共演シーンのやり直しは、ここだけの話ちょっときつかったぜ。アツイぜ。汗で麺がやられるぜ。何度も何度も踊ってるうちにだんだんオレも気持ちよくなってきたのさ。やばいぜ。ランナーズハイってやつか?オレよりもダンサーズの限界を見かねた監督がカットをかけた。1人テンポのずれてる奴がいたが、それもヨシってことにしたらしい。オレはカンペキを求めたかったが、長いものには・・・、てな。
オンエア ~めざせ全国制覇!~
いよいよCMが完成した。あれだけやらせといてオーナーがオンエアの出し惜しみをしているらしい。2007年夏の長崎県と東海地方でのデビューを皮切りに少しずつ展開って話だ。おいおい、華々しく全国デビューさせてくれよ。オレの野望は全国制覇だぜ?ほら、そこのあんたも早く見たいだろう?オレのクールな唄とダンス。いつかきっとキミの家のテレビにも登場するから楽しみに待っててくれよな。
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